神戸市街地から国道176号線を北上し、「波田橋」交差点の少し手前に、地味なお寺がある。
ちょうど道のカーブの途中にあるため、注意しないと見落としてしまう。
この波田山大師堂は、かつては「大師坂」とも呼ばれていた。
境内にある大師池から強烈な2筋の光線が出て、追いはぎから旅人を守ったという逸話がある。
またお遍路道は、明治のころは年に3回、3月・7月・11月に多くの人が境内に集まり、にぎわったのだとか。
そんな繁栄した面影はまったくなく、むしろ廃寺ではないか?と思えるほど、静まり返っている。
42番まで
駐車場からすぐに本堂があり、まわりに多くのお地蔵さんが祀られている。
そのすぐ脇に、お遍路道がのびている。
基本的に、「本尊」と「大師」が一対になっており、屋根等はない。
台座には、番号がつけられている。
いきなり急勾配な坂が続き、足場もぬかるんでいるので、登山靴か必須である。
石仏は、だいたい20歩ごとに設置されている。
道順に並べられているので、迷うことはない。
途中、倒れている石仏、向きが正面でない石仏などがあり、あまり手入れされていないことがうかがえる。
できれば1つずつ手入れしたいところだが、なにぶん数が多い。
ちゃんとしようとすると、まる1日かかるだろうし、重い石仏を動かすには1人では大変だろう。
88番・結願
数字としてちょうど中間となる、43番が頂上となる。
眺望を見渡せるも、木々が生い茂っているため、見える範囲がせまい。
ベンチも何もないので、休憩するにはザコ座りするしかないのも残念なところだ。
下りも、お地蔵さんの間隔はそう変わらないし、急勾配で荒れた坂が続く。
倒れたお地蔵さんが道の真中に落ちていたりして、何とも切ない気持ちになる。
本当にここが、かつてにぎわっていた場所なのか。
やがて結願し、費やした時間は50分。
すっかり人里を離れるため、半日くらい山中をさまよっている気分であった。
少しハードな登山となるので、しっかり登山用の装備をして巡ることをおすすめしたい。
訪問日 | 2016年10月9日 |
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所在地 | 兵庫県三田市藍本 |
所要時間 | 50分(徒歩) |
参考URL | 【ヤマレコ】 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-882383.html |
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