豊岡市の市街地から北へ、県道1号線をひたすら進んで日本海へ抜ける。
やがて姿をあらわすのが、細くのびた岬「猫崎」。
沖側からだと猫の形に見えることから、その名付けられたそうだ。
岬の付け根にある駐車場のすぐ手前に、「賀嶋山八十八ヶ所霊場入口」の石碑が建っている。
さぞかし由緒ある順路なのだろう。
しかし、霊場についての案内板はおろか、インターネット等で調べても、詳細な情報がまったくわからない。
駐車場からは登山口がのびている。
進んでみるが、石仏の姿がない。
見落としているのか?
注意深くあたりを見回すが、やはりどこにも見当たらない。
5分ほど進んだところに、広場がある。
手入れはされておらず、雑草も伸び放題で、海の景観も視界が狭く楽しめない。
広場からさらに細道を進んだところに、ようやく石仏を見つける。
お大師さんが1体のみで、台座に鎮座している。
はじめに見つかった石仏は、いきなり13番からはじまっている。
12番までは、広場にでもあるのか?
戻って探してみるも見つからないので、諦めて先へ進む。
以降も、番号が途中で飛んでいる。
特に26番から30番台は、まるまる欠番。
次に見つかったのは47番で、なぜかそこから43番まで降順に並んでいる。
やがて「奥院」と彫られた石仏を最後に、石仏が見当たらなくなる。
それでも道は続いているので先へ先へと進むと、猫崎の頂上へ到着。
この時点で相当体力も使っているため、ひと休憩する。
残念ながらベンチも何もないため、近くの石に腰を下ろす。
この先、もう石仏はないのでは?
という予感を覚えながらも、せっかくここまで来たんだから、最後まで歩き切りたい。
息が整ったところで、先へ進む。
道はますます険しくなり、足場は悪く坂も急勾配となる。
眼下には、岬に打ち付ける荒波が音を立てて見えており、足がすくむ。
高所恐怖症には、ちょっときつい。
常設されているロープや手すりに必死にしがみつきながら進むと、ようやく終点。
そこには、灯台がそびえ建っている。
結局石仏はなかったが、誰もいないこの場所で、荒波を見下ろしながらボーっとすることが心地よい。
昭和36年からあるこの灯台を、こんな辺境の地にどうやって建てたのかを想像しては、ゾクゾクとする。
お遍路というよりは、単なる往復2時間ばかりのハードな山登りとなった。
行くなら、真夏は避けることを強くオススメしたい。
訪問日 | 2016年10月10日 |
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所在地 | 兵庫県豊岡市竹野町竹野 |
所要時間 | 100分(徒歩) |
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