楞厳寺八十八箇所霊場(仮称)

京都・綾部市の市街地より北西およそ5km、静かな場所にたたずむ楞厳(りょうごん)寺。
天平4(732)年、林聖上人により開かれたという、歴史あるお寺である。
しかし、兵火によって3度も焼かれたという歴史も持つ。

庫裡(住職の住む建物)の座敷にある「カラスの襖(ふすま)絵」が有名で、「カラス寺」とも呼ばれている。
また、春は桜・夏は菩提樹・冬は椿が咲き乱れ、「関西花の寺 第2番」でもある。

このお寺の境内に、八十八ヶ所巡りがある。
お寺の正面側に2箇所・裏に1箇所小高い丘があり、3箇所にエリアが分かれているのが特徴的だ。

【23番まで】
お寺の玄関口でもある庫裡のそばに、お寺の境内の案内板がある。
ご丁寧に、88箇所すべての石仏の位置が書かれているのがありがたい。
ただ、しょっぱなの2番・3番が地図と場所が異なり、4番の近くに移動されているので注意が必要だ。

1番が庫裡の近くにあり、2番からは1つめの丘「弁財山」へ。
丘といっても、高低差はそんなになく、体力的な負担がないので、ありがたい。
お地蔵さんも、常に3手先まで見えるくらい間隔が短く、探す手間がない。
ただ、16番~20番あたりは立体的に複雑な配置をしており、注意しないと、順番を抜かしてしまう。

この丘にある石仏は「本尊」と「大師」が1体ずつペアとなっており、セメントまたは木製の祠に祀られている。
石仏の手前には小さな鉢があり、線香立てなのかお賽銭入れなのかは不明である。

【71番まで】
23番まで巡った後は、2つ目の丘「大師山」へ。
ここからの石仏は、木製またはトタンの祠に祀られている。
また、石仏をキャラクター化した、近代的な瀬戸物の仏さんが置かれている。

道すがら、絶えず続くのは「ミツバツツジ」という木々。
残念ながら花はついていないが、シーズン時は鮮やかなピンクの花が一面に咲き乱れるそうだ。

道は一本道できれいに整備されており、坂もなだらかだ。
風景が変わらないことがややネックだが、途中に弘法大師さまの像とお堂が1つある。

【88番・結願】
道を渡り、72番からはお寺の裏にある丘へ。

庫裡を見下ろしながらしばらく行くと、お寺の本堂へ到着する。
本堂のまわりには、お遍路とは別のお地蔵さんが何種類もある。

本堂から階段を下ったところに、最後の88番がある。

全工程で、1時間ちょっと。
丘を巡るミニ遍路でも、全体的に坂の勾配が比較的なだらかというのが珍しい。
今度はミツバツツジが咲いているころに、再訪したいものである。

訪問日 2016年3月13日
所在地 京都府綾部市舘町楞厳寺6
所要時間 70分(徒歩)
参考URL 【古墳のある街並みから】
http://www.y-morimoto.com/hananotera/02ryogon.html
備考

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