天理市の市街地から国道169号線を南下し、柳本交差点の2つ手前の道を左折。
 天長元(824)年に弘法大師により創建されたという、長岳寺がある。
 最盛期には境内に48もの塔頭が建てられ、300名以上の僧侶がいた巨大な寺院であった。
 
 境内の入り口につながる大門をくぐると、右手に「新四国八十八ヶ所」という石柱がある。
 
 すぐ先に1番の石仏があるので、この奥を進めばよいことがわかる。
 
 石仏は、ほとんどが石柱で組まれた小屋に囲まれている。
 ブリキ缶で作られた青く大きめのお賽銭入れ・ローソク立て・線香立てが添えられている。
 山中を巡るミニ遍路で、ローソク立てと線香立てがすべてにあるのは、なかなか珍しい。
 
 【20番まで】
 1番から順序よく進んでいるつもりが、いつしか番号が思いっきり飛んでいることに気がつく。
 よくよくあたりを調べてみると、通路右手の奥まったところにたくさんの石碑が並んでおり、そこにいくつか石仏がある。
 道標がないと、これはわかりづらい。
 
 そこから20番まで、ひたすら墓地の脇道を進む。
 細い小道なので、お墓参りの人からすれば、ちょっとウサン臭く見えたるも知れない。
 
 石仏の小屋の横に番号がふられているのだが、この番号が消えて見えにくくなっているところが多数ある。
 それでも、ほぼ道なりに並べられているので、迷うことはない。
 それにしても、蚊が多い!
 立ち止まると蚊が寄ってきて、合掌礼拝している数秒のうちに群れをなしている。
 これでは、歩いている途中に疲れたときに、ちょっとした休憩もできない。
 【48番まで】
 墓地を抜けてからは、ひたすら林道を進む。
 
 いちばん標高の高い48番のすぐ奥に、石の椅子が準備されている。
 そこから見える風景は、ただ木々が重なっているだけ。
 おそらく、昔はここから境内が見下ろせたのだろう。
 そう考えると、この遍路道の歴史の深さを感じられる。
 【76番まで】
 50番あたりから、急激に道が険しくなる。
 ヤブをかき分けないと進めず、心が折れる。
 石仏めぐりでは、金剛杖を持参したほうがいいのかも知れない。
 
 少しすればヤブから抜け、今度はやたらとキノコが生えた道に続く。
 紅色で大きなキノコは、もしやベニテングダケ?
 
 絶えず続いた山道も、76番で途切れる。
 ここからは、長岳寺の本堂まわりにある、平坦な道。
 観光客もあちこちいて、ようやく孤独感から開放される。
 
 【88番・結願】
 大きな弘法大師像や鐘、お遍路とは関係ない多くの石仏など、境内は見ごたえがある。
 
 88番で満願し、すぐ近くの本堂にお礼参りをして、ちょうど1時間。
 それなりに距離はあったと思うが、蚊を気にして1度も休憩できなかったので、急ピッチになったのかも知れない。
 
 夏場の散策には不向きである。
| 訪問日 | 2016年9月25日 | 
|---|---|
| 所在地 | 奈良県天理市柳本町508 | 
| 所要時間 | 60分(徒歩) | 
| 参考URL | 【お寺三昧。仏像三昧。 【仏像ワンダーランド】】 http://butsuzoworld.blogspot.jp/2011/08/blog-post_18.html  | 
| 備考 | 
