甲山四国八十八ヶ所

国道2号線から「夙川橋」交差点を北上、川沿いの道から阪急甲陽線沿いの道を走り、さらに入り組んだ道を北へ向かうと「甲山森林公園」がある。
または、カーナビで公園を検索したほうが便利かも知れない。
「県立甲山森林公園」の道路標識がある大きな駐車場を少し西へやり過ごし、左手に見える2つ目の駐車場へ進むと、駐車場脇にいくつもの小さな石塔とともに、1番の石仏が鎮座している。

石仏横には「甲山四国八十八ヶ所」の案内看板が立てられている。
以下、要約。

開祖は神呪寺第62代住職の蓮眼大和尚(天明4(1784)年~寛政12(1800)年)であると伝えられている。
江戸時代、西宮の酒造家であった四井屋久兵衛が残した記録によると、寛政10(1798)年1月24日~26日の期間、「甲山神呪寺石仏供養」が執行されたとのこと。
また同記録には、石仏供養の開創には地域一帯の有志家の要望と援助があったこと、8月ごろによその地域から多くの参拝者が訪れたことが記されていたそうだ。

1番からは車道を進むと、次々と祠や石仏が見えるので、まず見落とすことはないだろう。
竹で作られたお賽銭入れに、番号が付けられているのもわかりやすい。
歩道がないうえ路肩が狭く、カーブが続くので車には注意が必要である。

11番まで廻ってからは道を左へ、石材店横の階段を下る。
曲がる場所がわからなければ、小さな道標やお大師様の石仏を目印にしよう。

階段沿いに12番・13番を巡ってからは、T字路を右へ。
農地を抜けて14番を見つければ、そこから短いスパンで26番まである。

その先には、上部に有刺鉄線が張り巡らされたフェンスがある。
人が1人通れるすき間を抜け、車道をまたいで再び山道を進む。
フェンスの意図はよくわからないが、この参道を守るためか、野生動物が車道に飛び出すのを防ぐためだろう。

27番から44番までは引き続き山道が続く。
石仏は比較的高い位置に置かれていることがやや特徴的。
特に37番は、石段を登っていく必要がある。

再び道をまたいでフェンスをくぐる。
フェンスには「第四十六番入口」と書いてあり45番の場所に混乱するが、フェンスをくぐって少し歩くと45番があるので、案内は無視しよう。
50番は岩場に囲まれた細い石段を進むので、RPGのような世界観を味わえる。

上り坂を進み、59番を過ぎた後に風景が開ける。
少し歩くと高所に「宝塔」が設置されている。
62番の後はこの丘の頂上だろうか、岩場が広がりしばらく続いた山道から開放された気分になる。


64番を過ぎてからは3回目のフェンスをくぐり、神呪寺へと延びる山道。
先ほどまでの道よりも明るく、要所で山から見下ろす景色を眺められる。


82番の後に車道を横切り、神呪寺脇の細道に83番から87番が続く。
その先はまさかの行き止まり。
おそらく昔は神呪寺の境内に向かう裏参道が延びていたのでは?と思うのだが、その形跡は見てとれない。

いったん車道に戻り、車道沿いに歩いて神呪寺の境内を正面からくぐる。
88番は本堂に向かって左手手前にあり、結願。

山道が多いとはいえ、激しい勾配があるわけではなく、トレッキングには最適である。
お弁当を持参し、62番付近の岩場でランチを楽しむのもいいだろう。

訪問日 2018年11月3日
所在地 兵庫県西宮市甲山町25−1
所要時間 100分(徒歩) / 2km
参考URL

【フォートラベル】
https://4travel.jp/travelogue/10640469

【山登りの記録 やまいろ】
http://fuji55.sakura.ne.jp/yama/590walking/kabuto88/kabuto88.html

備考

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