不動寺八十八箇所霊場(仮称)

奈良公園から国道169号線を南下し、国道25号線に交わる少し手前で左折。
「櫟本高塚公園」の裏手の竹やぶに、石仏がずらりと並ぶ不気味な空き地がある。
かつて「不動寺」というお寺のあった地である。

お堂はないものの、敷地の入口の石段を登ると石灯籠があり、正面の屋根のついたスペースには弘法大師像や不動明王像が祀られている。
また、「当山御神仏御給仕処」と書かれたお供えを入れる場所には、比較的新しく見える酒や菓子類があり、まるっきり廃れてしまったわけでないことがうかがえる。

公園の敷地から見えた石仏の群れは、もちろんミニ遍路ができる。
石仏は基本、「本尊」と「大師」が1体ずつペアとなっている。
石仏の前には造花が供えられており、線香立てと、おそらくお賽銭入れ用の陶器がある。

基本雨ざらしだが、屋根の設けられたものが数多くある。
もしかすると、昔はすべて屋根で覆われていたのかも知れない。

道は整備されておらず、あちこちに倒木やらクモの巣があったりする。
何より蚊が多く、立ち止まると5~6匹の蚊が、四方八方からやって来る。

また、通常なら石仏に彫られた番号順に巡るのだが、番号が読めなかったり、番号自体がなかったりする。
何とか時間をかければ、ある程度番号を推理できるだろう。
しかし、とにかく蚊が足と止めると殺到してくるため、長居する気がまったく起こらない。
それでも、敷地内を5分ほどかけて、とりあえずぐるっと一周した。
逆に、5分あれば一周できる敷地に、200体近い石仏があるというのは、見ていて圧巻である。

これほどインパクトが強く、そこそこ敷地も広いお寺が、なぜ潰れたのだろうか。
何でも、ネット上では心霊スポットとしても名高い場所らしい。
廃寺になった理由に興味はあれど、あまり深く詮索しないほうがいいのかも知れない。
知らぬが仏、である。

訪問日 2015年9月5日
所在地 奈良県天理市櫟本町2650
所要時間 5分(徒歩)
参考URL 【スリジャヤワルダナプラコッテ(仮)】
http://iai1016.jugem.jp/?eid=823
備考 廃寺の敷地内

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